【結論】
転勤や住み替えで今の家を売るか貸すかは、「いつか戻って住む可能性があるか」で最初に分かれます。戻る可能性があるなら、期間を決めて貸す「定期借家」が基本です。戻らないと決めているなら、売る選択肢も並べて比べます。
どちらにしても、貸すなら住宅ローンを借りている金融機関への相談、売る可能性があるなら「住まなくなってから3年目の年末」という税金の期限を、先に押さえておいてください。
この記事でわかること
- 売るか貸すかを決めるときに、最初に考えること
- 住宅ローンが残っている家を貸すときの注意
- 売る可能性があるなら知っておきたい税金の期限
- 売った場合と貸した場合の手取りの比べ方
- いったん貸してから売ることになるケース
売るか貸すかは、何で決めればいいですか?
「いつか戻って住む可能性があるか」が最初の分かれ道です。 可能性が少しでもあるなら、売ってしまうと戻る家がなくなります。貸しておけば、戻るか売るかを後から選べます。
A‑Lifeにご相談いただく方では、貸す方が多く、売る方は1割ほどという感覚です。ただ、これは状況によって大きく変わります。
- 国内の転勤か、海外の転勤か:戻る時期の見通しや、家族の動き方が変わります
- 住み替えの場合:今の家を貸したまま、新しく家を買う方もいます
- 家族の予定:お子さんの進学のタイミングなどで、戻る場所が変わることがあります
「戻るかどうか分からない」という方も多くいます。その場合は、期間を決めて貸す「定期借家」にしておくと、期間が来たときに戻るか、もう一度貸すか、売るかを選べます。
普通の賃貸借契約(普通借家)は、2年ごとの更新が前提の契約です。オーナーの都合で終わらせるには正当な理由が必要で、「自分が住みたいから」だけでは認められないことがあります。 戻る可能性があるなら、定期借家を選んでください。
→ 海外への転勤の場合は「海外赴任で家を貸す完全ガイド」で、出国前の準備から帰国後までを整理しています。
住宅ローンが残っている家を、貸してもいいのですか?
貸す前に、ローンを借りている金融機関に必ず相談してください。 住宅ローンは、借りた本人や家族が住むことを前提にしたローンです。
転勤のようにやむを得ない事情があれば、手続きをしたうえで貸すことを認めてもらえる場合があります。ただ、扱いは金融機関によって異なり、投資用のローンへの借り換えを求められることもあります。相談せずに貸すと、契約違反として残りのローンを一括で返すよう求められるおそれがあります。
住み替えで新しい家を買う場合は、今の家のローンが残ったまま、新しい家のローンを組めるかも確認が必要です。新しい家の審査でも、今の家のローンは借入として見られます。売るか貸すかを決める前に、金融機関に両方の相談をしておくと、選べる道がはっきりします。
売る可能性があるなら、いつまでに決めればいいですか?
「住まなくなってから3年目の年末まで」が一つの目安です。 自分が住んでいた家を売ったときの税金の特例(3,000万円の特別控除)は、この日までに売らないと使えません。
この特例は、売って出た利益から最高3,000万円を差し引けるものです。いったん貸していても、期限までに売れば使える可能性があります(貸していた期間や使い方によって個別に判断されることがあるため、売る前に税理士に確認してください)。 反対に、貸している間に期限を過ぎると、利益に税金がかかる可能性が出てきます。東京のように買ったときより値上がりしている家ほど、影響は大きくなります。
「今は貸すけれど、売るかもしれない」という方は、引っ越した年から数えて、いつが期限になるかを最初に確認しておいてください。定期借家の期間も、その期限を見ながら決めることができます。
もう一つ、住宅ローン控除も変わります。家族ごと引っ越して誰も住まなくなると、その間は控除を受けられません。転勤などで戻ってきた場合は、条件を満たせば再び受けられますが、控除の期間は延びず、残りの年数だけです。戻って住み始めた年に、まだその家を貸していた場合は、その年ではなく翌年からになります。
→ 相続した実家を売る場合は、別の特例になります。「実家を貸すと、空き家の3,000万円控除は使えなくなりますか?」で整理しています。
※税金の特例には、ほかにも条件があります(配偶者や親など近い親族への売却は対象外になるなど)。実際に売るときは、税務署か税理士に確認してください。2026年9月時点の制度に基づいて書いています。
売った場合と貸した場合、手取りはどう比べればいいですか?
「売ったら手元にいくら残るか」と「貸したら毎月いくら残るか」を、同じように費用を引いてから比べます。 売値や家賃だけを比べると、判断を誤ります。
売った場合に残るお金=売れた金額から、次の3つを引いたもの
- 仲介手数料など、売るための費用
- 住宅ローンの残り
- 利益が出た場合の税金(上の特例が使えるかで大きく変わります)
貸した場合に毎月残るお金=家賃から、次の3つを引いたもの
- 住宅ローンの返済
- マンションの管理費・修繕積立金、管理会社への費用
- 固定資産税(年1回)と、家賃収入にかかる税金
貸す場合は、ほかに入居者が入れ替わるときの空室期間や、設備の修理代も見込んでおきます。貸している間もローンの残りは減っていくので、何年か貸したあとに売る場合の手残りも一緒に考えると、比べやすくなります。
都心のマンションは、誰に借りてもらえますか?
都心のマンションは、法人の社宅として借りてもらえることが多いのが強みです。 A‑Lifeの管理物件では、大手法人の社宅や、大手法人にお勤めの方の入居が中心です。
法人の社宅には、次のような良さがあります。
- 決まるまでが早い:転勤の時期に合わせて部屋を探す法人が多く、条件が合えば早く決まります
- 使い方が丁寧:大手の法人との契約なので、部屋を雑に使われる心配が少なくなります
- 家賃の支払いが安定する:支払うのは法人です
個人の方でも、そのエリアでちょうど探している人がいれば、早く決まることはよくあります。
横浜や千葉などの物件も扱っていますが、法人の需要が厚いのは都心です。都心から離れるほど、誰に貸すかの見込みを物件ごとに確かめる必要があります。
いったん貸してから、売ることもありますか?
よくあります。 貸したときは「戻って住むつもり」でも、戻る頃には事情が変わっていることが少なくありません。
- 家族が増えた・子どもが大きくなった:特に海外では用意される家が広いことが多く、日本の家に戻ると狭く感じて売る方がいます
- 転勤先に住み続けることにした:地方の暮らしが合い、そのまま定住するので売る方もいます
- 相場が上がった:東京は値上がりしているので、今のうちに売っておこうと考える方もいます
貸してから売ることになったときのために、定期借家で貸しておくと、期間が終わったあとに空いた状態で売ることができます。入居者がいるまま売ることもできますが、買う人は投資として買う人が中心になるため、自分で住む人に売る場合とは値段の付き方が変わります。
売る可能性が出てきたら、上に書いた3,000万円控除の期限と、定期借家の期間が終わる時期を並べて、いつ売るのがよいかを考えてください。
A‑Lifeに相談すると、何をしてもらえますか?
売るか貸すかで迷っている方には、貸した場合の家賃の目安と、売った場合の手残りの両方をお出しします。数字を並べてから決めていただけます。
一方で、最初から貸すと決めている方に、売却をおすすめすることはしません。 その場合は、家賃の目安と、定期借家の期間の決め方、住宅ローンの金融機関への相談の進め方をご案内します。
貸す場合は、募集の前に、募集の条件や物件の見せ方を弊社で考えてから打ち出します。都心のマンションを中心に、横浜・千葉方面のご相談もお受けしています。
まとめ
転勤や住み替えで今の家を売るか貸すかは、いつか戻って住む可能性があるかで最初に分かれます。
戻る可能性があるなら、定期借家で貸しておけば、戻るか売るかを後から選べます。貸す前には住宅ローンの金融機関に相談し、売る可能性があるなら「住まなくなってから3年目の年末」という期限を確認しておいてください。そのうえで、売った場合と貸した場合の手取りを、同じように費用を引いて比べます。
よくある質問
Q. 転勤の期間が決まっていなくても貸せますか?
A. 貸せます。定期借家で3〜4年ほどの期間を決めておき、延長になったら入居者と合意のうえで再契約する方法がよく使われます。期間が短すぎると、借りる人が見つかりにくくなります。期間の決め方は「賃貸管理会社の選び方|海外赴任で家を貸すときに確認する7つのこと」でも触れています。
Q. 住宅ローン控除は、貸している間も受けられますか?
A. 家族ごと引っ越して誰も住んでいない間は、受けられません。戻って住み始めたあとは、条件を満たせば残りの年数分を受けられます(戻った年にまだ貸していた場合は、翌年から)。単身赴任で家族が住み続けている場合は、条件を満たせば受け続けられます。
Q. 貸している家を、途中で売ることはできますか?
A. できます。入居者がいるまま売る方法と、定期借家の期間が終わって空いてから売る方法があります。どちらが合うかは、売りたい時期と、入居者の契約がいつ終わるかで決まります。
Q. 住み替えで、今の家を貸したまま新しい家を買えますか?
A. 買う方はいます。ただし、今の家のローンが残っていると、新しい家のローンの審査に影響します。今の家のローンの扱いと合わせて、金融機関に先に相談してください。
出ていく前にご相談ください
転勤や住み替えの時期と、戻る見通しをうかがったうえで、貸した場合の家賃の目安と、必要なら売った場合の手残りをお出しします。
ご相談・査定は無料です。