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海外赴任で家を貸す完全ガイド|出国準備・契約・税務・帰国後のすべて

公開 2026年3月13日更新 2026年9月28日

著者:小西 淳伸/宅地建物取引士

【結論】

海外転勤で家を貸すにあたり、押さえる判断軸は3つ。

①賃貸・売却・貸さずに空けておく、のどれが資産戦略に合うか。

②普通借家か定期借家か——帰国時に自宅へ戻れるかを左右する契約形態の選択。

③管理委託か転貸借か——海外からの管理負担をどこまで委ねるか。

準備は早いほど空室期間が短くなり、条件も有利になります。日本に戻らず賃貸経営を完結する仕組みは整っています。


この記事でわかること


海外赴任で家を貸す3つの選択肢、どれを選ぶべき?

海外転勤で自宅をどうするか3つの選択肢

将来戻るなら賃貸、戻らないなら売却、短期赴任で家賃収入が不要なら貸さずに空けておく選択もあります。判断軸は赴任期間・住宅ローン残債・家族の意向の3つに絞られます。

海外転勤が決まったとき、自宅をどうするかには大きく3つの選択肢があります。

選択肢主なメリット主なデメリット
賃貸に出す家賃収入で住宅ローン返済を継続できる/帰国後に戻れる入居者対応・税務手続きが必要
売却する資金化できる/管理の手間ゼロ帰国後に同等物件を再取得するのが難しい
貸さずに空けておく帰国時にすぐ住める/第三者を入れない安心感家賃収入なし/劣化リスク/固定資産税は支払い続ける

判断軸1:赴任期間

赴任期間が 3年以上 であれば、賃貸の選択肢が優位です。空き家のまま放置すると、3年で水回り・換気・給湯器の劣化が顕著に出ます。換気されない室内はカビ・結露・建材の収縮が進み、帰国後に大規模なリフォームが必要になるケースもあります。

赴任期間が 1年以下 の場合は、選択肢が広がります。貸さずに空けておく(定期巡回・通水・通電)のほか、1年以内の定期借家契約で短期入居者を募集する方法や、一時使用契約(短期間に限って貸す契約。裁判例では、契約書に「一時使用」と書くだけでは認められず、実態として短期間に限る事情が必要とされています)も選択肢のひとつです。短期赴任でも家賃収入を得ながら物件を維持したい場合は、管理会社に相談して最適な方法を選ぶとよいでしょう。

判断軸2:住宅ローン残債

住宅ローンは、契約者本人が居住することを前提に組まれたローンです。自分が住む家を購入するために低金利で借りられる代わりに、第三者に貸し出すことは本来の使用目的から外れます。そのため、賃貸に転用する場合は 投資用ローンへの借り換え を求められることがあります。

ただし、海外転勤など正当な事由がある一時的な賃貸については、事前に申請すれば認められることがあります。対応は金融機関によって異なります。

銀行との交渉では、以下の条件が整っていると承認を得やすくなります。

無断で賃貸に出すと、ローン契約違反として一括返済を求められるリスクがあります。出国前に 必ず取引銀行に相談 し、転勤期間中の賃貸転用について書面で承認を得てください。

なお、住宅ローンが残っていない場合、銀行への相談は不要です。賃貸に転用することに金融機関の制約はなく、契約形態(普通借家か定期借家か)も自由に選択できます。ただし、ローンの有無にかかわらず、帰国後に確実に自宅へ戻るためには 定期借家を選ぶことを推奨します。ローンがなくても、普通借家では借主の更新権の問題は変わらないためです。

判断軸3:家族の意向

「将来戻りたい家かどうか」は、ご家族の意向を尊重して決めるべきです。お子様の学区・思い出のある家具・近所付き合いなど、金銭面では測れない要素があります。

弊社の場合、ご相談に来られるオーナー様の大半は 「将来戻る前提の賃貸」 を選択されます。理由は単純で、都心の同等物件を帰国後に再取得することが現実的に困難だからです。


「売るべきか、貸すべきか」——A‑Lifeでは無料で比較試算をご提供しています。まずは数字で確認してみてください。

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海外赴任で家を貸す準備はいつから始めるべき?

海外転勤で家を貸す準備スケジュール

準備を始める時期に「これが正解」という答えはありません。早いほど空室期間が短くなり、より有利な条件で決まりやすくなるというだけで、直前でも対応は可能です。要は、どれだけ空室期間を許容できるかによります。

とはいえ、以下のステップには一定の時間がかかります。目安として把握しておくと、逆算して動きやすくなります。

つまり、出国日から逆算して 2〜3ヶ月前に動き始めれば、ほとんどのケースで間に合います。

一方、それより早く動くほど管理会社を比較する余裕が生まれ、賃料設定・契約条件の交渉でも選択肢が広がります。弊社では、出国直前にご相談に来られたオーナー様に「もう少し早く動けていたら、もう少し高い条件で決まっていた」とお伝えするケースが少なくありません。早めに動くことは、収益を上げる上で有効な打ち手のひとつです。


海外赴任で家を貸す流れ|出国までのスケジュール

ここからは、出国準備の流れを 5つのフェーズ に分けて解説します。早めに動くほど空室期間を短くできますが、直前でも対応可能ですので、空室をどれだけ許容できるかを軸に参考にしてください。

フェーズ1|出国前(早めに動けるなら半年前が理想):貸すかどうかを判断する

最初のフェーズで決めるのは、上記の3つの選択肢(賃貸/売却/貸さずに空けておく)のどれを選ぶかです。この判断には、以下の情報を揃えると判断しやすくなります。

弊社にご相談いただく場合、この時期は 賃料査定と売却査定を同時に出す ことをお勧めしています。両方の数字を見比べると、ご家族で意思決定がしやすくなります。

フェーズ2|出国4〜5ヶ月前:賃料査定と貸し方を整理する

賃貸を選ぶと決めたら、次は 賃料査定 と 貸し方の方針決定 を進めます。

賃料査定では、以下の3つの観点で複数社の見積りを取ることをお勧めします。

弊社では、東京都心の法人社宅・賃貸市場を見続けてきた経験から、個別の上振れポイント を評価して査定額を提示しています。

漫画『インベスターZ』(三田紀房)には、こんな印象的な対比があります。

「株式投資は美人コンテストだが、不動産投資は主観的なもの」

(三田紀房『インベスターZ』14巻 第121話)

株式は、市場全体が同じ銘柄を見て価格を決める 客観の世界 です。一方、不動産は、たった一人の入居者・買い手が「これがいい」と思えば成立する 主観の世界 です。

これは価格の両方向に働きます。高くても「この物件がいい」と思えば借りる人は借りる。逆に、安くても「ここじゃなくていい」と感じれば借りない人は借りない。だからこそ、平均的な賃料に合わせることが正解とは限りません。物件の個性を正確に見極め、それに合う入居者に届けることが重要です。

AI査定は平均値を出す道具として優秀です。ただし、主観で決まる上振れポイントは、経験者でないと拾えません。具体的には、以下のような要素は AI 査定では十分に評価されにくいものです。

弊社の場合、こうした上振れポイントを 物件ごとに個別評価 し、AI査定を上回る賃料設定が可能なケースを見極めています。

フェーズ3|出国3〜4ヶ月前:募集条件を決める

賃料査定を踏まえて、入居者募集の条件を確定させます。決めるべき項目は以下の通りです。

賃料と共益費の関係——分譲マンションの管理費と混同しないこと

ここで多くのオーナー様が混同しやすいポイントを整理します。

賃貸における 「共益費」 は、廊下・エレベーター・共用部の管理にかかる費用として入居者から受け取るものです。オーナー様が受け取るのは「賃料+共益費」の合計です。分譲マンションを購入した際に支払う「管理費・修繕積立金」とは別物であり、混同しないよう注意が必要です。

また、賃料と共益費の金額をどう配分するかは、入居者の検索行動に影響します。ポータルサイトの多くは「賃料」のみで絞り込める仕様になっているため、以下のような差が生まれます。

設定パターン賃料共益費合計20万円以内で検索した場合
パターンA21万円1万円22万円表示されない
パターンB19万円2万円21万円表示される

← 表は横にスクロールできます →

同じ合計額でも、配分の仕方によって検索にヒットする入居者の層が変わります。また「19万8,000円」のように端数を設定するのも、人間の心理的に「20万円より安い」と感じさせる効果を狙った設定です。どの配分が最適かは物件・ターゲット・競合状況によって変わるため、管理会社と相談して決めるのが現実的です。

弊社では、海外赴任オーナー様には 「定期借家+法人社宅優先」 をベースに提案するケースが多くあります。理由は次セクションで詳しく説明します。

フェーズ4|出国2〜3ヶ月前:入居者募集を開始

募集条件が決まったら、入居者募集の開始です。

弊社の場合、東京都心という立地を活かし、契約の大半が大手法人社宅・大手法人勤務者 で構成されています。一般的な仲介業者ネットワークやポータルサイト掲載に加えて、法人社宅担当者への直接アプローチ で募集ルートを広げているのが特徴です。

法人契約には3つの構造的なメリットがあります。

「短期退去・室内トラブル・家賃滞納」という賃貸経営の3大リスクを、入居者の質で構造的に低減 できる構造です。

フェーズ5|出国1〜2ヶ月前:賃貸契約

入居申込が入ったら、審査を経て契約締結に進みます。海外赴任オーナー様が直面する最大の壁は 「契約のために一時帰国が必要か?」 という問題です。

結論から言えば、クラウドサイン等の電子契約を使えば一時帰国は不要 です。弊社ではクラウドサインを導入しており、海外赴任オーナー様の契約は全件電子完結で対応しています。

具体的な流れは、後ほどの「日本に戻らず契約する方法は?」で詳述します。


普通借家・定期借家・管理委託・転貸借、海外赴任ではどれを選ぶ?

普通借家・定期借家・管理委託・転貸借の選び方

将来戻る予定がある海外赴任なら 定期借家 が最適です。管理の委ね方は 管理委託か転貸借か を選びます。普通借家は借主の更新権が強く帰国時に自宅へ戻れないリスクがある上、住宅ローンの賃貸転用を銀行に申請する際も普通借家では否認されるケースが多いため、推奨されません。

契約には「契約形態(普通借家 vs 定期借家)」と「管理のさせ方(管理委託 vs 転貸借)」の2軸があります。それぞれを正しく理解しないと、帰国後に自宅に戻れないリスクや、海外からの遠隔対応で苦労するリスクが発生します。

普通借家契約

最も一般的な賃貸契約形態です。契約期間は通常2年で、借主が希望すれば原則として更新されます。借主側に強い更新権 があり、貸主側からの正当事由なき解約はできません。

海外赴任で自宅を貸す場合、普通借家は推奨されません。理由は2つあります。第一に、帰国時期に契約期間が合わず、借主が更新を希望すれば自宅に戻れないリスクがあります。「正当事由」は貸主側の事情だけでは認められにくく、立退料を支払っても退去を拒否されるケースがあります。第二に、住宅ローンが残っている場合、賃貸転用の銀行申請で普通借家は否認されることが多いという実務上の問題があります。銀行側は「帰国後に確実に自宅へ戻れる」ことを条件に承認するため、借主の更新権が強い普通借家は通りにくい傾向があります。住宅ローンがなければこの制約はありませんが、それでも帰国時のリスクを考えると定期借家を選ぶべきです。

定期借家契約

契約期間が終了すると 更新がなく、期間の満了で終了する 賃貸契約です。借主は契約期間中の居住を保証される代わりに、満了時には退去することが事前に合意されます。

海外赴任での賃貸では、定期借家がスタンダード です。赴任期間に合わせて契約期間を設定すれば、帰国時期に合わせて自宅へ戻れます(期間が1年以上の契約は、満了の1年前から6ヶ月前までに借主へ終了の通知をしておく必要があります)。さらに、定期借家には帰国・入居者保護以外にも見落とされがちな2つの利点があります。

なお、定期借家の「満了後に続けて貸す」場合は、普通借家の「更新」とは異なります。定期借家は更新という概念がなく、満了後に双方が合意した場合は 新たに再契約 を結ぶ形になります。再契約の条件(賃料・期間)は改めて交渉できるため、状況に合わせた柔軟な対応が可能です。

定期借家には 書面での説明義務 があり、契約前に「この契約は更新がない」ことを書面で説明する必要があります。この手続きを怠ると定期借家として無効になる場合があるため、経験ある管理会社に任せることが重要です。

管理委託

オーナー様が貸主の立場を維持したまま、管理業務を管理会社に委託する形態です。入居者との賃貸借契約はオーナー様と入居者の間で結ばれます。

管理会社は家賃の集金・入居者対応・修繕手配などを代行しますが、入居者から直接連絡が来ることがある点や、トラブル時の最終判断はオーナー様が行う点に注意が必要です。海外赴任中でも管理委託で対応できますが、入居者や管理会社とのやり取りが発生することがあります。

転貸借契約(A‑Life貸主代行)

弊社が海外赴任オーナー様に提供している仕組みです。

  1. オーナー様(原貸主)と A‑Life(転貸人)が マスターリース契約 を結ぶ
  2. A‑Life が貸主の立場で、入居者(転借人)と賃貸借契約を結ぶ
  3. 入居者対応・トラブル処理・修繕判断はすべて A‑Life が貸主として実施

管理委託との最大の違いは、入居者との法律関係の当事者が誰か という点です。管理委託ではオーナー様が貸主のまま、転貸借ではA‑Lifeが貸主になります。これは万が一のトラブルや訴訟になった場合に大きな差として現れます。入居者との契約をめぐるトラブルや訴訟では、入居者の相手方はA‑Lifeとなり、オーナー様が直接対応する必要は原則ありません。

海外赴任中に法的トラブルが発生した場合、オーナー様が現地から対応しなければならない事態を避けられる点は、転貸借の実務上の大きなメリットです。

海外転勤の場合、転貸借を選ぶことは明らかに合理的な判断です。物理的に現地にいられない・時差がある・言語・法律の壁がある——こうした状況で、入居者対応や法的責任をオーナー様個人が負い続けるのは非現実的です。転貸借にすることで、これらのリスクをすべてA‑Lifeが引き受けるため、オーナー様は海外から安心して賃貸経営を続けられます。管理委託との比較でどちらを選ぶか迷った場合も、海外赴任中という条件が加わるなら転貸借を選ぶ合理的な理由は十分あります。

転貸借には「家賃保証型(サブリース)」と「貸主代行型(パススルー)」があり、それぞれ仕組みが異なります。弊社では 貸主代行型 を中心に提供しており、家賃の上振れ分はオーナー様の手取りに反映される仕組みにしています。


海外居住者の税務、源泉徴収と確定申告はどう対応する?

海外居住者の源泉徴収と確定申告の仕組み

海外に住むオーナーへ家賃を払う側には、家賃の20.42%を差し引いて納める義務があります(20.42%は復興特別所得税込みの税率です)。ただし入居者が個人で、自分や家族が住むために借りる場合は不要です。差し引かれた分は年1回の確定申告で精算し、海外に住んだまま申告するには 納税管理人 の届出が必要です。

海外赴任オーナー様の税務は、日本国内に居住している場合と大きく異なります。ポイントは3つに分かれます。

ポイント1:誰が家賃を払うかで、源泉徴収の有無が変わる

海外に住むオーナー(非居住者)へ日本国内の不動産の家賃を払う側には、家賃の20.42%を差し引いて税務署に納める義務があります(所得税法第212条)。誰が払う側になるかで、流れが変わります。

源泉徴収がある場合、例えば月20万円の家賃であれば約4万円が差し引かれ、オーナー様への送金額は約16万円になります。

A‑Lifeが借りて入居者に貸す形(転貸借)を選べば、差し引きと税務署への納付はA‑Lifeが行います。入居者に手続きが発生しないので、法人の社宅にも紹介できます。

ポイント2:納税管理人の届出

海外に住んだまま確定申告をするには、日本に住む家族や税理士などを 納税管理人 として、あらかじめ税務署に届け出ておく必要があります(国税通則法第117条)。納税管理人は、税務署からの書類を受け取り、申告書の提出や還付金の受け取りを行います。

日本に残るご家族を納税管理人にする方が多いですが、申告の中身まで任せたい場合は税理士に依頼する方法もあります。

ポイント3:年1回の確定申告で精算

源泉徴収された税額は、あくまで 概算の前払い です。実際の税額は経費(管理料・修繕費・固定資産税・減価償却費など)を差し引いた所得に対して計算されるため、年1回の確定申告で精算します。

源泉徴収は経費を差し引く前の家賃に対して20.42%が課されるため、納めすぎていれば確定申告で戻ってきます。

ただし、個別の還付額は物件・経費・他の所得との関係で変動するため、ここでは具体額の例示は控えます。実際の税務相談は提携税理士へお繋ぎします ので、ご相談時にお申し付けください。

弊社の海外赴任オーナー様向けには、以下の業務を標準対応しています。

※2026年9月時点の所得税法・国税通則法に基づく説明です。税制改正により変動する可能性があります。


源泉徴収・確定申告の手続きは、海外赴任中でもA‑Lifeがワンストップで対応します。

源泉税がいくらになるか計算する →

日本に戻らず契約する方法は?

クラウドサインで一時帰国なしに賃貸契約を完結

クラウドサイン等の電子契約サービスで 全契約完結が可能 です。弊社ではクラウドサインを導入しており、海外赴任オーナー様の契約は全件電子完結で対応しています。

「賃貸契約のために一時帰国するのは現実的でない」というのが、ほとんどの海外赴任オーナー様の本音です。航空券・滞在費・赴任先での休暇調整を考えると、契約のためだけに帰国するコストは数十万円規模になります。

電子契約を使えば、こうしたコストはゼロにできます。具体的な流れは以下の通りです。

電子契約の流れ(弊社の運用例)

  1. 物件情報の確認:オーナー様にメールで重要事項説明書・契約書のドラフトを送付
  2. オンライン重要事項説明(IT重説):宅建士がオンライン会議で内容を説明・質疑応答
  3. クラウドサインでの署名:オーナー様・A‑Life・入居者がそれぞれ電子署名
  4. 契約締結完了:締結済みPDFがクラウド上に保管され、いつでも閲覧可能

すべての手続きは オーナー様の現地時間に合わせて調整 しますので、時差があっても問題ありません。アジア圏(時差1〜2時間)はもちろん、北米(時差13〜14時間)・欧州(時差7〜8時間)のオーナー様にも対応実績があります。

電子契約のメリット

弊社の場合、海外赴任オーナー様の 新規契約・更新契約・退去精算 まで、すべて電子で完結する運用を標準化しています。


海外赴任で家を貸すときによくある失敗5つ

海外転勤で家を貸すときのよくある失敗パターン

ここからは、弊社にご相談に来られたオーナー様が経験された、または直前で回避できた 典型的な失敗パターン を5つ挙げます。事前に知っておくだけで、回避できるものばかりです。

失敗1:間際に動き始めて空室で出国

「赴任の3ヶ月前から動こう」と思っていたが、実際は仕事の引き継ぎに追われて2ヶ月前から始動。結果、出国時点で入居者が決まらず、空室のまま出国するケースです。

空室期間が長引くと、家賃収入がないまま住宅ローンを払い続けることになります。弊社の場合、出国2ヶ月前ギリギリでご相談に来られたオーナー様には、家賃を相場より下げて短期決着 を提案するか、法人社宅向けに仕様調整 をして急ぎ募集をかける、といった緊急対応を取ります。

ただし、急いだ結果として相場よりも低めの賃料で決まるケースが多くあります。早めに動いていれば、本来はもう少し高い条件で決まっていた、というのが実情です。

回避策:出国の2〜3ヶ月前には動き始め、余裕があれば早めに着手する。それだけで失敗1の大半は回避できます。

失敗2:普通借家を選んで戻れなくなる

赴任が3年と決まっていたため普通借家2年契約で貸し出した。3年で帰国する直前、借主から「更新したい」と申し出があり、退去を求めても応じてもらえないケースです。

普通借家は 借主の更新権が強く保護 されており、貸主側からの解約には正当事由が必要です。「自分が住みたいから」だけでは正当事由として認められにくく、立退料を支払っても退去を拒否される場合があります。また、住宅ローンの賃貸転用を銀行に申請する段階で、普通借家では否認されるケースが多いため、そもそも契約できない場合もあります。

回避策:赴任期間が決まっているなら定期借家を選ぶ。契約期間の満了で更新なく終了するため、帰国時に自宅へ戻れます。

失敗3:管理会社が海外対応に弱い

近所の不動産会社に管理を依頼したが、海外赴任オーナーへの対応経験が少なく、源泉徴収の流れ・電子契約・納税管理人の届出などの案内が整っていないケースです。

結果、源泉税の納付漏れで税務署から通知が来る、契約書の郵送が間に合わない、修繕判断のために何度もメールでやり取りが発生する、といったトラブルが発生します。

回避策:海外赴任オーナー対応の実績がある管理会社を選ぶ。弊社の場合、管理を任せていただいているオーナー様の多くが海外赴任中の方であり、源泉徴収・電子契約・時差対応はすべて標準業務として組み込んでいます。

→ 管理会社に何を確認すればよいかは「賃貸管理会社の選び方|海外赴任で家を貸すときに確認する7つのこと」にまとめています。

失敗4:源泉税対応を怠って税務署からの通知

法人の社宅として貸したのに、源泉徴収の流れを誰も確認しておらず、後から税務署に指摘されるケースです。

源泉徴収の義務があるのは 家賃を払う側(法人の入居者や、借りて貸す管理会社) で、納め忘れると不納付加算税や延滞税がかかります。払う側とのやり取りがこじれれば、海外にいるオーナー様にも確認の連絡が来ることになり、日本にいない分だけ対応が難しくなります。

回避策:海外居住者への対応を標準業務にしている管理会社を選ぶ。誰が払う側になるかで源泉徴収の流れがどう変わるかを、契約前に説明できるか確認してください。

失敗5:帰国後の段取りができず仮住まい

帰国時期が近づいて借主に退去を依頼したが、原状回復や室内クリーニングのスケジュール調整が間に合わず、自宅に戻れないまま仮住まいで生活するケースです。

定期借家でも、借主の引っ越し→原状回復→クリーニング→点検→入居 のプロセスには約1〜2ヶ月かかります。帰国直前に動き始めると、仮住まいが必要になるケースが多くなります。

回避策:帰国の3〜4ヶ月前から退去スケジュール調整を始める。弊社では海外赴任オーナー様に、帰国予定が見えた段階でご連絡をいただき、退去・原状回復・入居の段取りを逆算して進めます。また、弊社は自社施工部門を持っているため、退去後の原状回復工事を外注なしで対応でき、他社より費用を抑えながら工期も短縮できます。修繕費が過大になりオーナー様が不利になるといった事態を防ぐ体制が整っています。


すでに転勤中で、管理会社の対応に不満・不安を感じている方。A‑Lifeでは管理プランの見直し・途中変更も承っています。

管理会社の見直しを相談する →

A‑Lifeが海外赴任オーナー対応で大切にしていること

A‑Lifeでは 管理を任せていただいているオーナー様の多くが海外赴任中の方 です。経験で物件の上振れポイントを見極めて家賃に反映し、入居戦略・税務・電子契約まですべてワンストップで完結します。

弊社の管理は、4つの構造 でできています。

構造1:入居戦略 — 大半が大手法人社宅・大手法人勤務者

東京都心という立地を活かし、契約の大半が大手法人社宅・大手法人勤務者で構成されています。

法人契約のメリットは前述した通り3つあります。

賃貸経営の3大リスク(短期退去・室内トラブル・家賃滞納)を、入居者の質で構造的に低減 できる仕組みです。

構造2:査定・賃料設定 — 経験で上振れポイントを見極める

弊社の査定は、経験ベースの個別評価 です。AI査定の平均値ではなく、東京都心の法人社宅・賃貸市場を見続けてきた経験で、角部屋・眺望・希少間取り・ペット可・契約期間設計など、物件ごとの上振れポイントを丁寧に拾います。

「この物件、もう少し上で決まる」を見極めることが、海外赴任で家を貸すときの収益最大化に直結します。

構造3:自社施工 — 工事で利益を作らない

弊社は管理だけでなく、民泊施設の内装工事・テナント改装・買取再販リフォーム を本業として行っています。

そのため、管理物件の工事で利益を作る必要がありません。

工事を外部工務店に外注する管理スタイルでは、工事自体が収益源になります。結果として、本来は不要な工事を勧めるインセンティブが働く構造になりがちです。

弊社の場合は、自社施工部門が直接対応するため、中間マージンが発生しません。工事は管理サービスへの 付加価値 であり、収益源ではありません。だからこそ、必要な工事だけをご提案できます。

「管理会社とオーナー様の利益が対立しない構造」が、A‑Lifeの管理哲学です。

この構造は、退去時の 原状回復費用 にも直結します。自社施工のため、退去後の工事費用は他社管理物件と比べて抑えられます。管理会社が工事利益を乗せる必要がないからです。オーナー様が「費用の妥当性がわからないまま請求を受け入れるしかない」という状況にならないよう、すべての工事で見積もりを明示し、オーナー様が判断できる透明性を大切にしています。

構造4:海外対応 — 日本にいなくても完結する

海外赴任中のオーナー様への対応は、A‑Lifeの主力業務です。

弊社では、管理を任せていただいているオーナー様の多くが海外赴任中の方です。海外対応を「特別対応」ではなく 標準業務 として組み込んでいることが、安心して任せられる理由です。


帰国後、スムーズに自宅に戻るには?

定期借家契約満了後にスムーズに帰国・自宅復帰

定期借家契約なら 契約期間の満了で退去 となります(期間が1年以上の契約は、満了の1年前から6ヶ月前までに終了の通知をしておくことが前提です)。原状回復・室内点検・入居スケジュール調整は 帰国の3〜4ヶ月前から 始めると、仮住まいなしで自宅へ戻れます。

帰国の段取りは、以下の流れで進めると円滑です。

帰国4ヶ月前

帰国3ヶ月前

帰国2ヶ月前

帰国1ヶ月前

帰国直後

弊社では、海外赴任オーナー様の帰国段取りをすべて代行します。海外にいながら、メールで進捗を確認できる仕組みです。


まとめ|海外赴任で家を貸す前に押さえておくべきこと

海外転勤で家を貸す決断は、赴任期間・住宅ローン・家族の意向 の3つの軸で検討します。賃貸を選ぶなら、早めに動き始めるほど空室期間を短くでき、定期借家を中心に契約形態を選ぶことで帰国時の自宅復帰リスクを最小化できます。海外に住む間の税務(20.42%の源泉徴収・納税管理人・確定申告)は、誰が家賃を払うかで流れが変わります。海外赴任対応を標準業務にしている管理会社なら、契約前にその流れを説明し、手続きの多くを引き受けられます。クラウドサイン等の電子契約を使えば一時帰国も不要です。早く動くこと自体が収益を上げる最大の打ち手であることを、最後にお伝えします。


出国前のご相談・賃料査定・契約形態の提案まで無料で対応しています。転勤が決まったら、まず一度ご相談ください。

海外赴任中の賃貸管理を相談する →

よくある質問(FAQ)

Q1:海外赴任の発令から出国まで2ヶ月しかありません。間に合いますか?

A:はい、間に合います。弊社では2ヶ月以内の短期対応も実績があります。法人社宅向けの集中募集・スピード優先の査定・クリーニングと募集の並行進行など、出国日から逆算した段取りをすべて弊社が組み立てます。まずは出国日をお知らせください。

Q2:住宅ローンが残っていても貸し出せますか?

A:海外転勤など正当な事由があれば、一時的な賃貸転用を認めてもらえることがあります(対応は金融機関によって異なります)。事前に取引銀行へ相談し、書面で承認を得てください。無断での賃貸はローン契約違反になります。なお、弊社が銀行への相談に同行・サポートすることも可能です。「どう説明すればいいかわからない」という場合も、管理会社として必要な書類の準備や交渉ポイントのアドバイスを行います。オーナー様だけで対応しなければならない、ということはありません。

Q3:家賃から20.42%が源泉徴収されると手取りが減ります。回避できますか?

A:入居者が個人で、自分や家族が住むために借りる場合は、源泉徴収は不要です。入居者が法人の場合や、管理会社が借りて貸す形の場合は、家賃の20.42%が差し引かれます。差し引かれた分は年1回の確定申告で、経費を差し引いた実際の所得に対して再計算し、納めすぎていれば戻ってきます。具体的な税務相談は提携税理士へお繋ぎします。

Q4:クラウドサインに慣れていません。使い方を教えてもらえますか?

A:はい。弊社の海外赴任オーナー様の多くがクラウドサイン初心者です。署名手順はメール記載のリンクをクリックし、画面の案内に従うだけで完了します。事前にオンライン会議で操作デモをお見せすることも可能です。

Q5:定期借家にすると借主が見つかりにくいと聞きました。本当ですか?

A:正直に言えば、普通借家の方が入居者は見つかりやすいのは事実です。借主側に更新権があり条件として好まれるためです。ただし、弊社の主な入居者層は大手法人社宅・大手法人勤務者であり、転勤サイクルが前提の法人需要においては定期借家でも空室が長期化するケースは少ない実績があります。募集の前に、募集条件の設計や物件の見せ方を弊社でしっかり考えて打ち出していることも、空室が長引きにくい理由です。帰国後に自宅へ確実に戻りたいというオーナー様の優先事項を守るためにも、弊社では定期借家を基本にご提案しています。

Q6:管理を任せず自分で対応することはできますか?

A:可能ですが、海外赴任中の自主管理は現実的に難しい場面が多くなります。源泉徴収の納付期限・入居者からの問い合わせ・修繕判断・契約更新などを時差対応するのは、本業がある赴任者にとって負担が大きいためです。弊社では、海外赴任に特化した管理プランをご用意しています。

Q7:赴任が延長された場合はどうすればいいですか?

A:定期借家であれば、契約満了時に借主と再合意すれば再契約が可能です。借主側に退去意向がある場合は、新規募集で別の入居者を迎えます。延長が見えた段階で早めにご連絡いただければ、最適な段取りを提案します。

ただし、ひとつ知っておいていただきたい点があります。期間が1年以上の定期借家では、満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主へ終了の通知をする決まりがあります(借地借家法38条。1年未満の契約では不要です。この期間を過ぎてしまった場合は、通知した日から6ヶ月後に終了できます)。一方、赴任延長の通知は一般的に2〜3ヶ月前に判明するケースが多く、タイミングがずれることがあります。そのため弊社では、最初の契約設計の段階で「延長の可能性」を織り込んだ期間設定をご提案しています。延長を見越して最初から少し長めに設計しておくことで、慌てずに対応できます。

海外転勤中のオーナー様は皆様、赴任延長について同じご不安を持たれています。弊社はそうしたケースへの対応に慣れていますので、ご安心ください。

Q8:転貸借(A‑Life貸主代行)と一般的な管理委託の違いは何ですか?

A:管理委託では、日常の入居者対応は管理会社が間に入りますが、貸主はオーナー様のままです。そのため、修繕の可否・退去交渉・法的トラブルの判断など、重要な場面ではオーナー様の意思確認や最終承認が必要になります。転貸借では A‑Life が貸主の立場を引き受けるため、こうした判断もすべてA‑Lifeが行います。オーナー様は入居者対応・法的責任の両方から解放されます。特に海外転勤中は、時差・物理的距離・法的対応の困難さを考えると、転貸借を選ぶことは明らかに合理的です。入居者との契約をめぐるトラブルや訴訟に発展した場合も、入居者の相手方はA‑Lifeとなり、オーナー様が直接対応する必要は原則ありません。

Q9:家賃以外に管理会社へ支払う費用はありますか?

A:管理手数料・原状回復費用・修繕費用・退去精算費用などが該当します。弊社では、契約前に費用構造をすべて書面で開示し、発生する場合は事前に見積りを提示します。知らないうちに費用が発生する運用はしません。

Q10:ペット可にすると家賃を上げられますか?

A:物件・エリア・需要によりますが、東京では ペット可の物件が少ない ため、ペットを飼っている入居者をピンポイントで狙いやすくなり、相場より家賃を上乗せできるケースもあります。可能であれば、ペット可にすることをおすすめしています。

傷みやにおいが心配な場合も、ペットを飼う入居者には 敷金を通常より1ヶ月分積み増す(例:敷金1ヶ月→2ヶ月)契約をご提案しています。退去時にその1ヶ月分を原状回復に充てる(償却する) ことを、特約として契約書に明記します。償却の額が高すぎると無効になることがあるため、1ヶ月分程度にとどめています。この分でペットによる傷みやにおいの修繕をまかなえるため、オーナー様の負担を抑えながらペット可にできます。

Q11:入居者が決まってから出国までの間に転勤先が変更になったらどうなりますか?

A:契約締結前であれば仕切り直しが可能です。契約締結後は、契約条件によって対応が変わります。状況次第ですが、定期借家を解除するには相応の補償が必要な場合があるため、転勤確定後に募集開始するのが安全です。

Q12:帰国後、入居前のタイミングで追加クリーニングや修繕を入れてもらえますか?

A:可能です。退去後の原状回復・クリーニングに加えて、入居前に追加クリーニングやクロスの張り替え・床リペア等の修繕を手配します。帰国の1ヶ月前にご連絡いただければ、入居タイミングに合わせて段取りします。


A‑Lifeへのご相談

「海外転勤が決まったが、自宅を貸すべきか売るべきか迷っている」「定期借家で進めたいが、信頼できる管理会社が見つからない」「源泉税や確定申告まで含めてワンストップで任せたい」——こうしたご相談を、毎週いただいています。

A‑Lifeでは、海外赴任前のご相談・賃料査定・契約形態の提案まで 無料 で対応しています。早めにご相談いただくほど選択肢が広がりますが、直前のご相談にも緊急対応で応じます。

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この記事を書いた背景

A‑Lifeでは、管理を任せていただいているオーナー様の多くが海外赴任中の方です。本記事は、海外赴任前後に頂いたご相談・実務で得た知見・契約や税務で発生した実例をもとに作成しました。

海外転勤で家を貸す決断は、人生に何度もある経験ではありません。だからこそ、ネット情報の寄せ集めではなく、海外赴任オーナー対応を主力にしている管理会社の 一次情報 をお届けすることに価値があると考えています。

ご相談・ご質問は、いつでも弊社までお問い合わせください。


※本記事は2026年9月時点の所得税法・民法・宅地建物取引業法等に基づいて作成しています。法令改正により内容が変動する可能性があります。

この記事を書いた人

小西 淳伸

株式会社A‑Life 代表取締役/宅地建物取引士。東京都心の賃貸管理を中心に、海外赴任中のオーナー様の物件を多く預かっています。

YouTube「不動産相談所の小西」で、貸す・売る・管理のご相談にお答えしています。

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この記事は、代表の小西 淳伸(宅地建物取引士)が実務の経験をもとに内容を決め、税・法律の記述は公的な資料で確認しています。最終確認日:2026年9月28日

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