【結論】
海外赴任中に家を任せる管理会社は、「定期借家を扱い慣れているか」「海外から契約を終えられるか」「源泉徴収の流れを説明できるか」の3つで絞り込めます。そのうえで、どんな入居者を集めているか、管理費の仕組み、工事の体制、担当者を比べてください。日本にいない間は、自分が判断しなければならない場面をどれだけ減らせるかが、管理会社の差になります。
この記事でわかること
- 海外赴任中の管理が、国内にいて貸す場合と何が違うのか
- 海外赴任で家を貸す人に多い、管理会社選びの失敗
- 管理会社に確認する7つのこと
- 帰任の時期が読めないときの貸し方
海外赴任中の管理は、国内で貸すのと何が違うのですか?
「すぐに自分で動けない」ことが前提になります。 管理会社の仕事そのものは同じでも、オーナーに求められる判断の重さが変わります。
日本にいれば、書類に判を押す、部屋を見に行く、電話で相談する、といったことがすぐにできます。海外にいると、時差があり、郵便は届くまで時間がかかり、一時帰国も簡単ではありません。
加えて、海外赴任ならではの論点が3つあります。
- 帰ってきたら住みたい:貸し方を間違えると、帰国しても自宅に戻れないことがあります
- 家賃に税金がかかる:海外に住む人へ家賃を払う側に、源泉徴収の義務が生じる場合があります
- 帰任の時期が読めない:延長が決まるのは直前、ということがよくあります
この3つに慣れている管理会社かどうかで、海外にいる間の手間と不安が大きく変わります。
海外赴任で家を貸す人に多い失敗は?
よくあるのは次の3つです。 どれも、貸す前に確認していれば防げます。
1. 出国直前で時間がなく、最初に話を聞いた1社に決めてしまう
赴任の準備は慌ただしく、管理会社の比較は後回しになりがちです。1社だけだと、提示された家賃や条件が妥当かどうかを判断する材料がありません。
2. 普通の賃貸借契約(普通借家)で貸してしまう
普通借家は、2年ごとの更新が前提の契約です。オーナーの都合で終わらせるには正当な理由が必要で、「自分が住みたいから」だけでは認められないことがあります。 帰国しても入居者が住み続け、自宅に戻れないという事態になりかねません。
3. 法人の社宅として借りてもらえない
海外に住むオーナーへ法人が家賃を払う場合、その法人に源泉徴収の手続きが発生します。この手続きを避けるため、法人に社宅としての契約を断られることがあります。 管理会社がこの仕組みを知らないと、断られた理由も分からないまま空室が続きます。
→ 出国前の準備から帰国後までの全体の流れは「海外赴任で家を貸す完全ガイド」で整理しています。
管理会社に確認する7つのこととは?
1〜3が絞り込みの条件、4〜7が比べるときの条件です。 面談や問い合わせのときに、そのまま質問として使えます。
1. 定期借家を扱い慣れているか
海外赴任で自宅を貸すなら、期間を決めて貸す「定期借家」が基本です。期間が来れば契約が終わるので、帰国後に住み戻す計画が立てられます。
ただし、定期借家は手続きを誤ると、普通借家として扱われるおそれがあります。契約書とは別の書面で、事前に入居者へ説明する必要があるなどの決まりがあるためです。期間が1年以上なら、期間が終わる1年前から6か月前までの間に、入居者へ終了を通知する必要もあります。
この通知が遅れると、期間どおりに明け渡してもらえなくなることがあります。「定期借家もできます」という会社は多いので、実際にどのくらい扱っているかと、終了の通知を誰がいつ出すのかを聞いてください。
2. 海外から契約を終えられるか
管理会社との契約と、入居者との契約の両方を、電子契約で結べるかを確認します。
郵送でのやり取りになると、書類が届くまでの時間で入居者の決定が遅れることがあります。入居の申し込みは、条件の良い部屋から先に決まっていくためです。
3. 源泉徴収の流れを説明できるか
海外に住むオーナーへ家賃を払う側には、家賃の20.42%を差し引いて税務署に納める義務があります。誰が払う側になるかで、流れが変わります。
- 入居者が個人で、自分や家族が住むために借りる場合:源泉徴収は不要です
- 入居者が法人の場合:法人が差し引いて納めます。この手続きを理由に、社宅としての契約を断られることがあります
- 管理会社が借りて、入居者に貸す形の場合:管理会社が払う側になり、差し引きと納付を管理会社が行います。入居者には手続きが発生しません
差し引かれた分は、確定申告で精算します。納めすぎていれば戻ってきます。海外に住んだまま確定申告をするには、日本に住む家族や税理士などを「納税管理人」として、あらかじめ税務署に届け出ておく必要があります。
この流れを管理会社がすらすら説明できるかどうかが、海外赴任のオーナーを扱い慣れているかの目安になります。
4. どんな入居者を集めているか
誰に貸すかで、退去やトラブル、滞納の起きやすさが変わります。法人の社宅や、大手企業に勤める人の入居が多いかを聞いてください。
法人の社宅は、法人の規定に沿って部屋が選ばれ、入居の時期や期間の見通しが立ちやすい傾向があります。ただし上の3で書いたとおり、海外赴任中は源泉徴収の手続きがあるため、法人に貸せる仕組みを持っているかまでセットで確認する必要があります。
5. 管理費は「家賃の何%」か、「定額」か
多くの管理会社は、家賃の3〜5%を管理費にしています。この仕組みだと、同じ仕事でも家賃が高い部屋ほど多く払うことになります。
家賃30万円なら、5%で月1万5,000円、年18万円です。管理の仕事量は、家賃が15万円の部屋でも30万円の部屋でも、ほとんど変わりません。
管理費は安ければよいわけではありません。ただ、家賃に比例する仕組みか、定額かは、長く貸すほど差が大きくなるので確認しておきましょう。
6. 工事を自社でできるか
設備の修理や退去後の原状回復を、外部の業者に手配するだけの会社か、自社で工事できる会社かを確認します。
間に業者が入るほど、費用は上がりやすく、動き出しも遅くなりがちです。海外にいると、見積もりの妥当性を自分で確かめるのは難しいので、工事の前に金額を説明してくれるかもあわせて聞いておくと安心です。
7. 担当者が変わらないか、返事が早いか
海外にいる間、実際にやり取りするのは会社ではなく担当者です。担当者が途中で変わらないか、休日や担当者の不在時に誰が対応するのかを聞いてください。
面談で「海外にいる間に、家賃から税金が引かれる流れを教えてください」と聞いてみるのも有効です。答え方で、担当者の知識と誠実さがだいたい分かります。
帰任の時期が読めないときは、どう貸せばいいですか?
定期借家で、3〜4年を目安に期間を決めるのがおすすめです。 延長になったら、入居者と合意のうえで再契約して続けられます。
期間が短いほど入居者に選ばれにくく、家賃も下がりやすくなります。2年だとなかなか決まらないことがあります。募集のときに「再契約できる」と書いておくと、さらに選ばれやすくなります。
「戻るまで」という期間を決めない貸し方もあります。ただ、入居者から見るといつ出ることになるか分からないため、決まりにくく、家賃も下がりやすくなります。
大手の管理会社と、小さな管理会社のどちらがいいですか?
規模ではなく、上の7つを満たしているかで選んでください。
大手には規模と知名度の安心感があります。一方でスタッフが多いぶん、担当者によって対応に差が出やすく、異動で担当が変わることもあります。小さな管理会社は、担当者の顔が見え、判断と返事が早いのが強みです。
どちらにしても、2〜3社から話を聞いて比べるのが確実です。
A‑Lifeはどう対応していますか?
A‑Lifeは港区芝大門を拠点にした賃貸管理会社で、管理を任せていただいているオーナー様の多くが海外赴任中です。上の7つには、次のように対応しています。
- 定期借家:帰任の見通しに合わせて期間をご提案し、終了の通知や再契約まで対応します
- 電子契約:管理の契約も入居者との契約も、クラウドサインで結べます。郵送も一時帰国も不要です
- 源泉徴収:A‑Lifeが借りて入居者に貸す形を選べば、差し引きと納付はA‑Lifeが行います。入居者に手続きが発生しないので、法人の社宅にも紹介できます。この形でも家賃はオーナー様が決めた額のままで、A‑Lifeへの費用も変わりません
- 入居者:契約の80%以上が、大手法人の社宅または大手法人に勤める方です(A‑Life管理物件・2026年9月時点)
- 管理費:家賃にかかわらず定額(月額3,000円〜)です
- 工事:原状回復や内装工事を自社で行います
- 担当:2人体制で対応します
出国前に済ませておく手続き(住宅ローンの銀行への相談、住宅ローン控除の届出、納税管理人の届出など)も、一覧にしてご案内します。
よくある質問
Q. 管理会社にはいつ頃相談すればいいですか?
A. 出国の2〜3か月前がおすすめです。複数の会社から話を聞き、家賃や条件を比べる時間が取れます。住宅ローンがある場合は、銀行への相談も出国前に必要です。
Q. 海外に住んだまま、管理会社と契約できますか?
A. 電子契約に対応している会社なら、海外にいながら契約できます。日本に戻る必要はありません。
Q. 入居者が個人でも、家賃から税金が引かれますか?
A. 個人が自分や家族が住むために借りる場合は、源泉徴収は不要です。入居者が法人の場合や、管理会社が借りて貸す形の場合は、家賃の20.42%が差し引かれます。
Q. 差し引かれた税金は戻ってきますか?
A. 確定申告で精算します。経費を差し引いた実際の所得に対して税金を計算するため、納めすぎていれば戻ってきます。海外に住んだまま申告するには、あらかじめ納税管理人を届け出ておく必要があります。
Q. 管理会社が借りて貸す形だと、家賃は安くなりますか?
A. 家賃の保証をつける契約では、保証の分だけ、受け取る家賃が相場より低く設定されることが多くあります。A‑Lifeの形は家賃の保証をつけないもので、オーナー様が決めた家賃のまま貸します。会社によって中身が違うので、契約前に確認してください。
Q. 普通借家で貸すと、帰国しても本当に戻れないのですか?
A. 必ず戻れないわけではありませんが、オーナーの都合だけで契約を終わらせるのは難しい契約です。入居者が住み続けたいと言えば、話し合いが長引くことがあります。住み戻す予定があるなら、定期借家をおすすめします。
Q. すでに管理会社に任せていますが、途中で替えられますか?
A. 替えられます。まず今の管理委託契約で、解約の予告期間を確認してください。確認のポイントは「管理会社を替える前に確認する5つのこと」にまとめています。
まとめ
海外赴任中の管理会社選びは、日本にいない間に自分が判断しなければならない場面を、どれだけ減らせるかで決まります。
まず、定期借家を扱い慣れているか、海外から契約を終えられるか、源泉徴収の流れを説明できるかの3つで絞り込んでください。そのうえで、入居者、管理費の仕組み、工事の体制、担当者を比べます。出国の2〜3か月前に動き出せば、比べる時間は十分に取れます。
出国前にご相談ください
赴任の時期と帰任の見通しをうかがったうえで、家賃の目安と、定期借家の期間の決め方をご提案します。海外からでもオンラインでご相談いただけます。
ご相談・査定は無料です。